砂糖の歴史
お菓子作りや料理、あるいは飲み物に入れるなど、わたしたちの生活の中で身近な存在である砂糖。砂糖の歴史は意外と古く、紀元前に遡ります。インドで甘蔗(さとうきび)から作られた糖が始まりでした。甘蔗は熱い地域でしか栽培できず、長い間熱帯や亜熱帯地方の特産品として高価なものとして知られていました。本格的な精製糖工業ができたのは7世紀のペルシャです。18世紀になってからビートから砂糖を作る製造法が生み出され、ヨーロッパを中心に発展していきました。細かな粒という現在の形の砂糖が大量生産できるようになったのは、19世紀に入ってからのことです。日本では奈良時代に砂糖が伝来したという記録がありますが、国内でさとうきびを利用して製造され始めたのは江戸時代以降です。
そんな砂糖製造業で年商37億8400万円を叩き出す会社が、大阪にあります。1913年に大阪市浪速区に創業した上野砂糖株式会社です。加工黒糖の製造・販売、各種砂糖や糖化品の卸売り販売が主な事業内容となります。
「信用は宝なり」
上野砂糖株式会社の作る砂糖は、沖縄県産の黒糖などミネラルを豊富に含んだ原料糖を独自の技術でブレンドして製造した「焚黒糖」です。糖度が高く、栄養源やエネルギー源としても重宝される焚黒糖。料理や飲み物に入れる粉状・微粉の商品や、飴のようにおやつとして食べられる固形状の商品、それからかき氷の蜜にもぴったりな液状の商品など、お客様のニーズに合わせて工夫された製品を各種取りそろえています。
会社の特徴として挙げられるのは、製造部門だけでなく販売部門も有しているところです。お客様が砂糖に求めることや困っていることを営業が掬い上げ、それをダイレクトに製造部門に伝えることで、より世の中のニーズに沿った商品開発を行うことができます。それが砂糖の付加価値を高めることになり、食文化の発展への貢献に繋がるのです。上野誠一郎社長が掲げる社訓は「信用は宝なり」。このように実績を築き、信頼を高めてきたのです。
さとうきびの力
砂糖の原料であるさとうきびは、温暖化の原因である炭酸ガスを利用することで糖と酸素を作り出すという性質を持つ植物です。イネ科の中でも炭酸ガスを取り込む量が多く、環境にやさしい植物として知られています。上野砂糖株式会社はこうして作られた焚黒糖を広めるために、砂糖を使ったレシピの開発を行い展示会やホームページ、または工場見学などを通じて多くの人に広めることにも積極的に取り組んでいます。
美味しい砂糖を人々に届ける一方で、環境を守ることもできるこの仕事に、上野誠一郎社長以下従業員たちは誇り持っているのです。
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