山田明良、福永紙工株式会社社長の年収、経歴、資産など詳しく解説。

社長

これからの印刷業とは

印刷業といえば、かつては印刷工場で朝から夜まで機械を動かしている忙しい業界というイメージがあったように思います。ですが、今はインターネットの発達やパソコンの普及により、業者に受注する印刷物は減ったといいます。そんな逆風の印刷業界の中で独自の生き残りをかけた取り組みを行う会社をご紹介します。
1963年東京都で創立された福永紙工所はオフセット印刷で、紙製品やパッケージのデザイン印刷を行ってきた会社です。そればかりではなく、2006年に立ち上げた自社ブランド「かみの工作所」を通じて外部のデザイナーとのコラボによる商品開発・販売を行っています。第一線で活躍するデザイナーも関わることによって、他にはない独特の商品が生み出され、国内外の美術館ミュージアムショップや百貨店などでの販売が好調です。完全受注型というこれまでの印刷業界の概念を取り去り、自社の企画力で新しい印刷業界の未来を切り開こうというパイオニア的存在でもあります。

福永紙工独自の商品

福永紙工株式会社企画の紙製品は、プロのデザイナーが関わることでデザイン性にも特化したオシャレで目を引く物ばかりです。たとえば「空気の器」。紙であるにも関わらず耐久性があり、また空気を包み込むような形で作り出されているので形態も自在に変えられます。広げ方、畳み方によって小物を入れるトレイや花瓶、あるいはギフト包装用やオブジェなど使い方も無限大です。デザイナーの発想と、50年の歴史を持つ福永紙工株式会社の技術の融合が紙製品の新たな境地を築き上げたものです。また、建築家である寺田尚樹氏作の「テラダモケイ」も有名です。様々な建物の1/100サイズの「建築模型用添景セット」は、部屋に並べるとまるでミニジオラマのような楽しい空間ができるというマニア必見のシリーズです。
印刷屋は安い・早いを売りにすることが多いですが、それでは印刷業界の未来は先細りになってしまいます。独自のデザインを生み出すことで価格競争から一線を置くこと。作品を愛するお客様を増やしていくことにより少数精鋭なデザイン技術集団をつくりだすことがこの業界での生き残りの道だと山田明良社長は考えるのです。

印刷業界の未来

山田明良社長は1962年愛知県生まれ。アパレル商社勤務を経て、1993年に福永紙工株式会社に入社しました。代表取締役に就任したのは2008年のこと。「紙」というアナログな存在を人々の生活に取り入れてもらうことが目標です。
印刷加工技術を用いたものづくりのために必要なのは、会社組織のフラット化だと言います。社員のアイデアやデザイナーの主体性を尊重することによって、オンリーワンの商品開発に繋げるのです。これまで培ってきた印刷加工技術と、デザイン性の融合が新たな価値を生み出すという仕組みを確立できれば、印刷業界の未来は明るいのです。

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