水谷将典株式会社Green社長 政治参加を促すために必要なこと

社長

日本では政治に対する関心はあまり高くなく、選挙に足を運ぶ人も諸外国と比べればさほど多くないのが実情です。株式会社Greenで社長を務める水谷将典さんは、多くの人が政治に参加するためには、政党の受け皿は増やすことはもちろんのこと、自分自身が政治に関心を持ち、相手に委ね過ぎない方がいいと考えています。

なぜか政治だけは他力本願に

ビジネスの世界では相手にすべてを委ねるようなやり方は好かれません。こうすればもっとサービスが良くなる、こうすればもっと生活は豊かになる、そんな理念や考えがあるのであれば自分で実現させればいいじゃないかと考え、起業していくのが普通です。ところが、政治になると突如として今ある政党以外に受け皿は存在しないかのように他力本願になり、自分たち市民が主体的に政党を作っていくというような動きにはなりません。これが不思議で仕方がないと水谷将典さんは疑問に感じています。

市民が主体的に政治参加を行う環境ならば、もっと真剣に政治を考え、毎回の選挙に真剣に取り組むようになります。しかし、「どうせ変わらないんでしょ」と投げやりになってしまう人が非常に多く、それがある種の停滞を招いていると考えざるを得ません。もちろん特定の政党を応援したり卑下したりするのではなく、政治という話題そのものを嫌わずにできるようにするにはどうすればいいかを考えてもいいはずだと水谷将典さんは主張します。

すべてにおいて関心が消えている

政治にあまり関心を示さない人の多くは自分には関係のない話だと捉えています。この自分には関係ないという考え方は実は政治に限ったことではないと水谷将典さんはヒシヒシと感じており、労働条件を整える際に強く感じたそうです。通常、労働条件は労働者にとって非常に重要なモノであり、いい条件を手にするためにも真剣に取り組まないといけないものです。

ところが、いい労働条件で働くことに対する関心がなく、色々と権利を主張すること自体が野暮で、とてもダサいことであると考えている人が増えているように感じます。権利の主張自体が特権的なもので、権利の主張をすればどんなことも正当化されるような感覚になっていると考えている人もいるようです。経営者側としてはその方が御しやすく、管理しやすいですが、そんなに労働者が無抵抗でいいんだろうかと経営者の水谷将典さんは疑問に感じ、もう少し反発をしてほしいと感じています。

世間は誰も助けてくれない

どちらかといえば投げやりな人が多い背景には、ピンチの場面で世間は意外と助けてくれず、苦しい思いをしながら自分の力で復活できたという強い自負を持つ人が多いように思います。水谷将典さんも就職氷河期の影響を受けた人物の1人で、自分で道を切り開いてきたという自負をもっています。とても苦しかった時期に周囲の人たちは手を差し伸べようとせず、誰も助けてくれなかったことに対する世間への諦め、怒りもあるように感じます。

政治に期待をして投票を行ったところで、大変だった時期に政治は助けてくれず、自己保身に走る姿を散々見てきました。その姿を見ているだけに今更政治の意義や民主主義のすばらしさを語られても何の意味がないのではないかと諦めの気持ちになってしまうのは仕方がないと水谷将典さんは考えます。こうした考えに至ると、他人への感謝を失いがちです。他人への感謝を忘れると自分がすべてになり、より被害者意識を強く持つようになります。

実際に投げやりになっている人はどこかで被害者意識が強く、それでいて長いものに平気で巻かれようとします。それが自分の生きる術であると言わんばかりで、他人への感謝を忘れているばかりに上昇のスパイラルにも入れず、ただただ負のスパイラルに入り、その事実を認められずにいるのです。

どんな怒りもまずはぶつけてみよう

政治参加を促すには、まず自分が持つ意見をぶつけるに限ります。すると、誰かはその意見を聞いてくれようとしますし、同じような意見を持つ人と同じ問題意識を持ち、真剣に取り組む意識が出てきます。そして、感謝の気持ちをしっかりと持つこと。これにより、被害者意識が薄くなり、前向きな考え方になっていきます。水谷将典さんはこの仕組みに早々と気づき、若いうちから周囲への感謝を忘れず、周囲に感謝の気持ちを伝えてきました。政治への興味関心を増やすにはちょっとしたことが必要なのです。

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