MHエステイト株式会社代表取締役平松真実が教える、個人事業主の家賃按分について

平松真実 社長

コロナ禍の時期になり、あえて築年数の古い賃貸物件などを借りる人が出てきました。これはコワーキングスペースとして借りる人がいるためで、仕事場として賃貸物件を借りるケースが見られます。その一方、フリーランスとして働く人が家と仕事場を兼用するような形にしている人もいます。

今回ご紹介するのは個人事業主における家賃按分について。どのように家賃を経費として計上した方がいいのか、MHエステイト株式会社代表取締役平松真実さんが解説します。

そもそも按分とは何か

平松真実

例えば会社の場合、携帯電話やパソコンなどが貸与され、会社用のパソコンやスマホを活用して仕事用として用います。そして、個人用は個人用として本人が用意すればいいわけですが、個人事業主の場合は個人用と仕事用が兼用になります。中には別々に分ける人もいますが、より節約を考えるのであれば兼用にしておくのが無難です。

 

按分とは、スマホやインターネットなどの利用代金の中で個人用と仕事用が何対何の割合なのかを決めた上で、その割合に応じて経費として計上することを指します。例えば、1万円の利用代金だった場合、個人用が4割、仕事用が6割だったら6割分の経費、6000円を計上することになります。

家賃の按分はどのように決まる?

平松真実

家賃を経費として計上する場合、重要になるのが仕事スペースが、居住スペースの中で何割占めているかです。この場合、床面積を用いて按分割合を決めるのが確実で、例えば50平方メートルの部屋を借りていて、20平方メートルが仕事スペースだった場合、50平方メートルのうちの20平方メートルなので、4割が仕事場となり、家賃の4割を経費として計上できます。

 

法律では「明らかに区分することができる場合における当該部分に相当する経費」となっているので、例えば、1部屋を仕事スペースとし、その部屋の面積で按分を行うのが一番確実であるとともに、万が一税務署に指摘を受けた際、明確に説明を行えます。

できるものはすべて按分にして経費にするべし

平松真実

個人事業主にとって、後で指摘を受けない程度に最大限経費を活用することが大切であり、そうすることで税金を正しく支払うことにつながります。そのため、家賃を按分して経費として計上する以上は電気代や水道代、インターネット料金などもできる限り経費として扱うのがおすすめです。

この場合、どれくらい経費として計上するかは仕事でどれだけ使ったのか、合理的に説明でき、普通に考えて妥当、正当性があればいいわけです。インターネット代金の場合は、1週間でどれくらいインターネットを使っているかで判断すればよく、1日10時間使っている場合、そのうちの7割が仕事用だったら、インターネット料金の7割を経費として計上すればいいのです。

スマホ代金なども同じで、仕事に使っているのがどれくらいかで割合を決めれば問題ありません。注意したいのは、どうせわからないからと全てを経費として計上する人がいますが、プライベートでは全くネットを扱わないことになり、あまりにも不自然で調査が入ってしまう可能性が高いです。とても当たり前のことですが、この手の経費は正直に申告するのがおすすめです。

家賃を按分で支払う場合も、実家で暮らしている場合は認められない事が多く、持ち家の場合も普通のケースとは大きく異なるため、自分に合ったケースで判断しましょう。

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