株式会社モリサワ森澤彰彦

社長

テレビ番組やYouTubeの動画、パソコンの文字作成ソフトの書体など様々な場面で登場する文字の書体。これを開発しているのが1924年に設立された株式会社モリサワです。文字の社会貢献はユニークな取り組みであり、文字を残していこうとする姿勢は立派です。そんな株式会社モリサワで代表取締役社長を務めているのが森澤彰彦さんです。

三代目として

森澤彰彦さんは1963年生まれで現在58歳です。株式会社モリサワは森澤彰彦さんの祖父が立ち上げた会社で、祖父が発明した「邦文写真植字機」をもとに印字を行うというもので当時は画期的な代物でした。ニーズを集めていた中で、コンピューターが登場し、その役割はパソコンヘ。そこで株式会社モリサワでは文字に着目し、シフトチェンジを図ります。そのシフトチェンジに取り組んだのが入社して間もない森澤彰彦さんでした。アドビシステムとの提携などを行い、デジタルフォントの普及を行います。着実に大きな仕事を任されるようになり、2009年に社長となります。三代目ですが、家業を継ぐように言われたことはなく、自然と会社のやっていることに興味を抱き、結果的に継ぐまでに至ります。

フォントの数は1000種類以上

時代に合わせてたくさんの書体を開発してきた株式会社モリサワ。現在取り扱っている書体は日本語だけで1000種類を軽く超えると言われています。それだけたくさんのフォントに意味はあるのかと思う人もいるでしょう。しかし、1000種類それぞれに違いがあり、それぞれに特徴があります。必ず適した場面があるからこそ、それだけ多くの文体が存在するというわけです。2005年に入るとフォントライセンスを年間契約できるサービスが始まります。決まったお金を支払うことで様々なフォントを利用できるというもので、最近流行りのサブスクリプションサービスのようなものです。

リーマンショックと震災

株式会社モリサワが危機を迎えたのはリーマンショックと震災です。金融危機が世界レベルで襲い掛かったタイミングで社長に就任した森澤彰彦さん。営業本部長として顧客を回ったことがあったものの、再び社長として顧客を回ろうと決め、1000社以上に顔を出します。これが信頼につながり、危機的な状況でもフォローをしてくれるという評判につながったようです。常に最悪を考え、最悪にならなければラッキーという考え方は何事にも通じるでしょう。

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